ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
いつもは、彼女の方からのアプローチを受ける立場だった。
「好き」という言葉はなくても、伝わってくる想いにずっと安心しきっていた。
だから、メールの返信がないというとっても些細なことですら、オレはひどく狼狽してしまったんだ。
『恋の駆け引きなんてできないよ』
そう言っていたクミちゃんに充分振り回されていたんだ。それだけオレは彼女に夢中になっていたんだ。