ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
この日オレは、気が抜けたのか、だらだらと予定よりも遅い時間に現場を後にした。
自宅のある大阪へ向かいながらも、心のどこかにぽっかりと隙間が開いていた。
帰宅してからも、一人ベランダで星空を見上げていた。
このときのオレ・・・。
部屋の明かりの中、はしゃぐ家族がいるというのに、数日後に迫る出張の期限が来たその時のことを考えていた。
「オレがいなくてもクミちゃん大丈夫かな?これ以上思い出増やさんほうがええんちゃうか?」