ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
その夜は、会うことはやっぱり叶わなかったものの、オレ達は電話で何時間も話をした。
「キスしたい」
と言うと、
『チュッ』
というリップ音がオレをくすぐる。
彼女のそんな反応が嬉しくて、オレは求める言葉を次々とクミちゃんに届けた。
触れ合っていないもどかしさ。
それでもクミちゃんの吐息が耳元にこぼれると、オレの気持ちはどうしようもなく高まって行ったんだ。