ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
私は今、確実に前を向いている。
新しい人生に向かって、前を向いていた。
離婚以来ずっと俯いていた私を、
「前を、上を向いて笑っていなよ。」
と手を差し伸べてくれたのは、間違いなくアキラなのだ。
昨日の発作は苦しかったけれど、今なら、過去を自分の手で終わりにすることができる、そういう気持ちが生まれていた。
いつの日か、アキラはアキラの居場所に帰る。
だけど、
『アキラは私の心の中で、ずっと私を支えてくれる存在になる。』
そう強く信じることができていた。
とにかく想いを伝えたくて、綴るメールはとても長いものになっていた・・・。