ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
「しゃ~~ないわ」
なんて言ってる山科は、
それでもどこか嬉しそうで、
軽トラをとりに雨の中出て行った。
だから、
「なんなら、
家まで送ってもらったらいいやん?」
と呑気な所長のセリフにかぶせるように、
オレもつい、こんなことを言ってしまった。
「独身は独身同士ってことで・・・。」
山科とクミちゃんの
二人の仲を勧めるようなモノイイで、
本当は、オレはその成り行きに
どこか不満を感じていたんだ。
きっと、オレはクミちゃんの本心に
触れたかったんだと思う。