ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
あの子が現場に来た頃から、
仕事は本格的に忙しくなっていった。
それまでは土曜の夕方には大阪に
向かっていたのに、
それもできなくなって、
オレは曜日の感覚すらなくなっていってた。
日曜日以外の毎日、
あの子は灰皿のゴミを片付けたり、
埃だらけの机の上を黙々と拭いてくれる。
職人さんの休憩時間に合わせて、
一緒に休憩してるようで、
時々メモを片手に2つのプレハブ小屋を
行き来してた。
それが、
各職人さんの座席位置を把握するために
している行動だとわかったのは後々のこと。
お弁当の配膳のための彼女なりの工夫やった。