ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
だけど決め手の言葉はないままで、
だったら・・・やっぱり
山科さんにぶつかってみるしかないなぁ・・・
って考え始めはしたものの、
不安が拭いきれなかった。
事務所のお姉さんにも
「山科さんって結構遊んでるみたいよ」
って言われていた。
出会いのチャンスなんて言いつつも、
正直離婚して以来初めての恋で・・・
そもそも恋のスタートを切るのは、
10年以上もご無沙汰だった。
そんな久しぶりの恋愛で、
臆病になっていたことも事実。
でもきっとそれだけではない何かが、
私を不安にさせていた。
その正体を、同性の柚月ではなく、
山科さんを知っている異性の高岡さんに
求めていた。
高岡さんがきっと話しをするであろう、
所長の反応も知りたかった。
そんな今後の展開に備えて、
高岡さんと連絡先を交換しておきたかった。
あまり時間がなかったので、
赤外線で私の情報を送信して、
きっとすぐにメールがもらえるだろう
と思って、そのままにしてた。
高岡さんからの連絡が週末を挟むことに
なるとは思ってもなくて・・・。