ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
その日の夜のうちに
知らない番号からの着信。
夕飯を食べていた時で、
その出来事を忘れてた俺は
不機嫌な声で電話に出てしまった。
それが彼女だとわかった時、
舞い上がる気持ちと、
平静を装おうとする気持ちが相まって、
また変によそよそしくなってしまった気がする。
メモを渡す時だって、
なんて言っていいのか
わからなくなってしまっていた俺。
緊張してたつもりはなかったけれど、
ぶっきらぼうに押し付けた感じで、
失敗したかな・・・と思っていたから、
彼女からの連絡はありがたかった。
「私の番号登録しておいてくださいね。」
って言葉を残して、電話は切られた。
俺は少し温かい気持ちになれて、
その夜は出かけることもなく、
宿でくつろいだ時間を過ごした。