ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
彼女の運転する車に乗ると、
「どこ行きます?」
そんな彼女の質問にも上手く答えらず、
ぶっきらぼうに
「地元だったらわかるけど、
こっちはあまり知らんからなぁ。
どこでもいいよ。」
と答える俺は本当にガキだと思った。
少し困ったような表情を見せた後、彼女は
「焼肉って言ってたから、そうしますね。
私の家の近くにもいい店あるんですけど、
好みが分かれるんで
○ってチェーン店でもいいですか?」
あんまり高い店で奢ってもらうのは
悪いと思っていた俺は、
安心してうなずいた。