あたしはアリス
笑香は気付かれないように教室の後ろに座り込んだ。
(なっ…なにこれ…)
教室にいたのは、さっきのウサギのような、人間の姿をした、耳とシッポがはえた生き物だった。
ウサギ、ネコ、ヒョウやサルもいる。
(ヒョウ可愛いな…じゃなくてっ!!どおなってんのさ~)
「おーい、そこのウサギ、席つけー……って、お前誰だっけ?」
クラスの動物たちが一斉に後ろを振り返った。
笑香もキョロキョロしてみる。
「お前だ、お前。キョロキョロすんなー」
「えっあたしっ!?」
どうやらウサギとは笑香のことらしい。
―――――ウサギ…?
笑香が恐る恐る頭に手をやると、フワフワしたものが手に触れた。
「なにこれーっ!!?」
急いで鏡を取り出して見てみると、確かに笑香の頭にはウサギの耳が。
お尻にはシッポもついていた。
「えっ…えぇっ?」