恋の相手は俺様王子!?

数分後やって来たタクシーに乗り込むと、彼は駅へと指示を出した。


「そういえば、それどうするんですか?」


"それ"とは、彼が部屋から持ち出した私の荷物で、中には数少ない食器類やキッチン用具が入ってる。


そんな物を持ち出して、いったい何しに行くっていうのか。


「捨てる」

「はぁ―――――っ!
なにも、捨てなくたって……」

確かに気に入らないという態度だったけど、なにも捨てる必要はないと思う。


何度も言うけど、それは私の所用物なんですが………。


「俺は、仕事上全て完璧にしないと気がすねぇ質なんでな」

「やな性格……」

「お前が、ずぼらすぎんだよ」

「……………」



言い返せないのは、強ち間違ってないからだったりする。


くやしぃぃぃぃっ!!


絶対、この人がいなくても大丈夫だって思わせてやるんだから。


なんて、彼に見られないように小さくガッツポーズしてみた。

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