恋の相手は俺様王子!?

駅に着いた私達は、彼が勤めているという会社にやって来た。

荷物を持って入って行く彼の後を追おうとしたら、


「お前は、そこで待ってろ」

「なんでですか?」

「いいだろ別に、直ぐ出てくっから」


ムーッ。

でも良く考えたら、私はこの会社には用がないし「わかった」と、ここは素直に頷いておいた。


彼が会社に入ってから、出会って初めて1人になる。


それにしても、おかしなことになっちゃった。

まさかお父さんたちが、あそこまで心配性だんて知らなかったのが今回の難点だった。


だけど、お母さんの言っていた言葉には頷かされるものがある。


『彼、イケメンでしょ!』


キリッとした二重瞼や高い鼻、すっきりした顔に野性味溢れた全体の雰囲気。


まず最初に思ったのは、不覚にもカッコイイ人だった事に、私はため息をつく。


カッコイイけど、性格は最悪だもんっ!


あの俺様的発想には、どうもついていけない。


今まで接していた男性なんてお父さんや先生くらいで、お嬢様の私にみんな優しく接してくれていた。


だから、彼のように上から物を言われた事がないから腹が立つんだ。


.
< 12 / 102 >

この作品をシェア

pagetop