恋の相手は俺様王子!?

これから暫くは彼と暮らさなきゃならないことに気を重くさせる。


でも………


『俺がお前を完璧にしてやる』

その言葉は何故か、頼もしいと思わせた。



１人でやってくためだし、利用しない手はないかも。


｢そうよ……あいつを利用してやればいいんだよ！ よしっ！｣

｢なにが"よし"だ？｣

｢だから、あいつを利用してやるって言って……ゲッ！！｣


尋ねられて思わず答えてしまったけど、相手が悪かった。


彼が背後からにやついた笑みを浮かべ、私を見下ろしていた。


｢ほぉ…この俺を利用しようってぇの？｣

｢いや……あは…はは…｣


蛇に睨まれた蛙であってましたか？

今まさに、それ状況だよ。


絶体絶命、このままグサグサと心に刺さる言葉を言われると覚悟していたのに、


｢その意気でやりゃ、上達は早いぜ｣

｢――――――は？｣


グシャグシャと頭を撫で回された。


ポカーンとなる私に、彼はまた直ぐに無表情になり｢行くぞ｣と言った。


…………わかんない、人。


また一つ、彼がわからなくなった瞬間だった。


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