恋の相手は俺様王子!?
買い出しを終え、帰宅した私はクタクタだった。
彼はタフだ。
三時間休みを入れることなく、新生活に必要な物を次々に買い揃えていった。
まずは、一番彼が気にくわなかった家事道具。
既に両手いっぱいの荷物があるのに、彼自身が必要とする物、そして、料理の食材まで着々と買い揃えていく。
そんな大荷物、逞しい彼でもさすがに一人では持てず、私まで荷物を持つ羽目になり、
「つ、疲れた〜」
普段持たない量の荷物を持って、沢山歩かされたせいで、家につくと真っ先にお気に入りのふかふかソファーに突っ伏せた。
「あれぐらいで、もう根をあげるたぁ。 さすがお嬢様だな」
ムカッ!
「何が、さすがですか!」
「常に甘やかされて育った環境のせいで、忍耐力も体力も根性もねぇんだろ」
「なっ! あなただって、疲れて……」
あれだけ動けば、誰だって疲れるに決まってると思った私は、彼を見て唖然となる。
帰って来て直ぐに荷物を放り出し、ソファーに倒れた私と違い彼は、荷物の整理をしていた。
棚に買ってきた物をしまい、食材は冷蔵庫にしまい。
「あのぉ、何する気ですか?」
エプロンをつけた彼に疑問を投げかけた。
「何って、晩飯の支度だよ」
「夕飯の?」
確かに、もう夕方の六時を回っていた。
でも、少しも休まずでよくやるなぁとちょっと感心。
「俺は元々、それが仕事だ。
それに、お前みてぇに柔に育ってねぇから、あんくれぇで疲れもしねぇ」
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