恋の相手は俺様王子!?
無表情に言った彼は、キッチンに立ち"仕事"を始めた。
柔に育ってない。
なんだそれ……
私は確かに甘やかせれて育ったお嬢様かもしれない。
だけど、それなりに悩みながら生きてきた。
だからこそ、こうして親のいない暮らしを始めたのに
「あなたが来て、全部台無しじゃない」
1人で何だって出来ることを証明したい。
私にだって、意志があって行動したいんだもの。
「お前ね、何か勘違いしてねぇか?」
買ってきたばかりのまな板の上でトントンとリズミカルな音が鳴る。
こんな音聞いたことなくて、好奇心が疼いた。
いったい、何をつくるんだろう?
だけど、その好奇心は彼の一言で別の意識に変わる。
「勘違いって?」
「お前を何も出来ねぇガキだなんて、お前の両親は思っちゃいねぇっつーこと」
話をしながら、手の動きは止めない。
私は2つの事を一緒にするなんて行動は出来ないので、これもまた感心してしまう。
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