恋の相手は俺様王子!?


「じゃあ、あなたを雇う理由にならないじゃない」


感心はするけど、どうしてか彼と話をするとムキになる。


人と話をする時は目を見て話なさいって習わなかったのかしら?


一切、私を見ない。


少しくらい手を休めたっていいじゃない。



「それが理解してねぇ証拠だ。
信用してねぇから、雇ったんじゃねぇよ。 心配だから雇ったんだ」


心配だから?


でもそれって、結局意味は同じになるような気がする。


「全然わかんない…し」

「じゃあ、やっぱりお前はガキだな」

「なっ!」


ソファーの肘おきをグッと握り締め、怒りを抑える。


だ、だめよ。


ここで怒れば、更にガキ扱いされるに決まってるんだから!


「か、勝手に言ってればっ」


相手にしていたら、また切れそうで、携帯を手に取り意識を別に向けた。


「何を怒ってんだか」


そんな呆れた声に、ピクピクと唇が反応したけど。


怒らない、怒らない、と大きく息を吐いた。




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