恋の相手は俺様王子!?

「陸、飛び出したら危ねぇっつったろ?」

「大丈夫だよぉ」

「今は大丈夫でも、車はいつ来るか分かんねぇの」



見覚えのある人物が、長身をかがめて男の子に帽子をかぶらせながら説教している。

男の子は可愛らしく頬を膨らませるが、それをも怒られていた。


「ンな顔すんな。 約束を守らない奴は動物園には連れて行けねぇな」

「やだーっ! もうしないからっ!パパと動物園行くの!」


立ち上がったパパ(?)の足にすがりつき、涙目で見上げる男の子に、パパ(?)はニッと白い歯を見せて笑った。


勝ち誇ったような、あのムカつく表情。


完璧に奴。 相馬璃兎だった。

一瞬双子説を考えてみたけど、服装も仕草も完璧に奴。


そして奴をパパと呼ぶ男の子。

「……………」


ええええええっっ!?


パパァァァァッッ!?


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