恋の相手は俺様王子!?
「へ? いやぁ……おかえり?」
探偵、そして彼が怒り心頭していることから見ても、後をつけたことは確実にバレているんだろう。
あたしが帰った後、陸君と帰ってきて、おばあちゃんに聞いた。
多分それで怒って、急遽帰ってきたんだろう。
「おかえり?じゃねぇ。 コソコソと嗅ぎ回りやがって……」
「…ごめん」
聞くつもりはなかったにしろ、後をつけたのはあたしの意志だったから、素直に謝る。
彼は荷物を横に投げやり、ソファーに身を投げて座った。
ふぅと深い息を吐くところを見ると、やたら疲れてない(?)と、あたしは彼をチラ見する。
「隠しているつもりじゃなかった。 仕事上、不利になるからプロフィール上には書いてなかったが……。 それを決めたのは、会社の奴だし」
奴にしては、本当に珍しく言い訳じみたことを言っている。
住み込みの仕事や、人気を争う仕事上、子供がいると不利だと会社が判断したってことか。
「まぁいい。 嫌ならクビにしてくれ」
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