恋の相手は俺様王子!?

「私は自分で何だって出来るんです。 いつまでも子供じゃない……」


危ないからってバイトすらしたことがない。


友達と遊びに行くのにも親の了解がいる私ってどうなの?


「お父さんたちは、いつまでも子供だと思ってるけど…
私だってちゃんと自分で生活出来るってみせたくて、自由に自分の意志で行動したくて…」


「だから、わざわざ遠く離れた大学に出てきたってわけね」


小さく頷いて男を見ると、相も変わらず無表情。


なんなんだ、この人。


感情ってものがないのだろうか?


立ち上がった長身を視線で追うと、何も言わずダンボールとテーブルに男が置いた鍵を取りスタスタと玄関に向かって行く。


――じっ。


「買い出しに行く。
ぼさっとしてねーで、とっとと支度しねーか」


ムムムッ?

支度しろってことは、私も行くということになる。


首を傾げた私に、男はニヤッと笑みを唇に浮かべた。


「お前にどんな理由があろうと、俺の依頼主はお前の親だ。
だから、嫌がろうが問答無用で面倒をみさせてもらう。
だが、お前の意志も尊重してやろーじゃねーか……」


「私の……意志?」


「お前が親に認めてもらえるように、この俺が完璧な女にしてやる。
そしたら、もう家政夫がいなくてもいんじゃーか?」


"完璧な女"に、私がなる。

そうすればお父さん達も認めてくれる?


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