ファウンティンに捧ぐ歌
歌が止み、ゆっくりと私を見る。



「ファウンティン様。息を切らせて……何を慌てていらっしゃるのです?」

ちょっと不思議そうに、でも、見守るような微笑みで首を傾げる人……そうだ、思い出した。



私は首を左右に振った。



「いいえ、なんでもないの……歌が聞こえてきたから」

そう答えて、ソルジャーと少し離れた所にあった石の上に座った。



座ってから私が無言でソルジャーを見ていると、何事も無かったようにソルジャーは再び歌い始めた。



私はこの歌声が好き。

心が穏やかになるの。

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