ファウンティンに捧ぐ歌
「守と幸せそうな泉を見ていて、嬉しかった」

従利は本当に嬉しそうな笑顔をした。



「このまま、何も起きずに、その姿を見守り続けたかった」

そう言った従利の表情は、さっきの悲しそうなものに変わっていた。



「だけど……やっぱり、現世でも、あいつと出会ってしまった」

そう言うと、従利は辛そうに顔をしかめて、目を瞑った。



今の従利の告白を聞いて、私は小さい時からずっと一緒の、従利との時間を思い出していた。

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