ファウンティンに捧ぐ歌
「1人で全部抱えてないで、私にも教えて? 私、何を聞いても……例え、悲しい過去の話しだって、受け止めるから」

「……泉?」



まだ従利は気が付いてない。



「さっき、従利が言ったんだよ? 『現世こそ幸せになれると、そう思っていた』って」



私がそう言うと、ちょっと考え込んでから、従利は『あっ』と小さく呟いた。



「従利はいつも生まれ変わる度に、私の事を守ってくれていたんでしょ?」



生まれ変わる前の記憶は、私に無い。

でも、今の私が知っている従利を見ていれば、そうだったのは分かるよ。

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