ファウンティンに捧ぐ歌
「あのバカヤロー!!!」
突然、怒鳴り声がして驚いて振り返ると、後ろのドアから従利が入って来た。
「じゅ、従利? ……ど、どうしたの?」
私が恐る恐る声を掛けると、従利は私達に気が付いて、こっちを見てため息1つ。
「はぁ……帰ってたんだ」
さっきの怒鳴り声と違って、落ち着いたトーンの声。
「『バカヤロー』なんて、穏やかじゃないな?」
そう言いながら、近付いて来た従利にカバンを投げてやる守。
苦笑いして従利はカバンを受け取った。