ファウンティンに捧ぐ歌

「どうしたのよ、従利?」

守達の姿が見えなくなってから、従利に訊いた。



「……泉……」

「ん?」

従利はまだ、私の手を握ったまま歩いていた。



「……守と……いつまでも、一緒に居たいでしょ?」

「えっ?」

「居たいでしょ?」

その場に立ち止まり、従利は繰り返しそう言った。

< 32 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop