ファウンティンに捧ぐ歌

「そう。正確には、下宿している家」

「下宿?」

「俺の両親は今、仕事の都合で海外なんだ」

剣崎君はそこまで言って、急に黙った。



私は相変わらず、俯いている。

沈黙が続いて、心の中がザワザワする。

守……早く来て……。



「泉さんは」

やっと剣崎君が、ボソッと言った。

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