ファウンティンに捧ぐ歌
えっ、そうなの?

あれっ、そう言えば。



「従利に捕まったんじゃなかったの?」

てっきり、それで遅れたんだと思ったんだけど。

私のセリフに、守は急にハッとして立ち止まった。



……守?



そのまま動かない守の服の裾を、クイックイッと引っ張った。

すると守は再び、ハッとして私を見た。



「従利と何かあったの? 何か言われた?」

思わず心配になって私が訊くと、守は優しく微笑んだ。

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