ファウンティンに捧ぐ歌
えっ……守……。



私は一瞬、目を見開いた。

けど、すぐに静かに目を閉じた。



守の存在が、今、17年間の時間の中で……一番近くに感じる。

ほんの一瞬だったかもしれない。

でも、私にはとても長い時間に思えた。



守は静かに自分の腕から私を解放すると、たった一言。

「おやすみ」

そう呟くと、駆けて行ってしまった。

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