ファウンティンに捧ぐ歌
「守。今日は雨降るから、傘持った方がいいよ?」

「えっ? こんな快晴なのに?」

一瞬、守は空を見てそう言ったけど、長年の事なのですぐに笑顔になった。

「分かった、ちょっと待ってて」

守はそう言うと、小走りで玄関に戻った。



今、空は確かに快晴なんだけど……何故か昔から、私には雨が降るタイミングがなんとなく分かった。

それも百発百中の正解率。

それを守も知っているから教えると、みんなにバカにされても傘を持って行ってくれるんだ。

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