オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
背中から体が冷えてくる。
自分でも顔が青い、と判るほど血の気が引いてた。
目が覚めるとあたしは猿ぐつわを噛まされ、二階奥の事務所に連れ込まれていた。
手は椅子にしっかり縛り付けられ、まったく解けない。
涙で滲んだ目でなんとか事務所のアナログ時計を見ると、9時30分を過ぎていた。
このゲーセンは夜9時に閉店するから、後は従業員しかいない事になる。
……そうだ!
あたしは一抹の期待を抱き、二人の男が何やら相談してあたしから目を離した隙に両足で床を思いっきり叩いた。
3度目はかなわなかったけど、この店の床は薄いから、下にまだ従業員がいるなら気付くはずだよね。
だけど、そんな淡い期待は男のひとことで砕かれた。
「ムダだぜ。ここのオーナーはオレの叔父なんだ。店員だってさっさと帰らせたさ」
さっきの野太い声が頭の上から降ってきた。
あたしは、男の声を聴く度に気色悪くて鳥肌が立った。
「ぼ、僕……ずっとキミをいいなって想ってたんだよ」
自分でも顔が青い、と判るほど血の気が引いてた。
目が覚めるとあたしは猿ぐつわを噛まされ、二階奥の事務所に連れ込まれていた。
手は椅子にしっかり縛り付けられ、まったく解けない。
涙で滲んだ目でなんとか事務所のアナログ時計を見ると、9時30分を過ぎていた。
このゲーセンは夜9時に閉店するから、後は従業員しかいない事になる。
……そうだ!
あたしは一抹の期待を抱き、二人の男が何やら相談してあたしから目を離した隙に両足で床を思いっきり叩いた。
3度目はかなわなかったけど、この店の床は薄いから、下にまだ従業員がいるなら気付くはずだよね。
だけど、そんな淡い期待は男のひとことで砕かれた。
「ムダだぜ。ここのオーナーはオレの叔父なんだ。店員だってさっさと帰らせたさ」
さっきの野太い声が頭の上から降ってきた。
あたしは、男の声を聴く度に気色悪くて鳥肌が立った。
「ぼ、僕……ずっとキミをいいなって想ってたんだよ」