短編集
嘘なんてついてはいけないと小さい頃から約束させられて、私は心のどこかで破りたくなっていたんだ。その気持ちを彼に渡した。

「…嘘つきだな」

「え?」

「くせっ毛は好きじゃないだろ?オレがくせっ毛だから、好きになったんだろ?」

気づかれてしまうから、彼に嘘はつけない。だからこそ嘘をつきたくなったのだ。ダメだと言われれば言われるほど、したくなる気持ちが溢れだしてしまう。彼にならどんな嘘をついてもわかってもらえるような気がして。


「うん、大好き」


だから私は嘘をつく。
気づいてくれるから、嘘をつく。




★夏の嘘
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