【続】『愛してる』なんて言わないで
その日の夜、8時過ぎ。
ーピンポーンー
誰か来た。
でも、あたしに最近会いに来る人と言えば、優菜ぐらいしかいない。
そう思い、あたしは気楽な気持ちで扉を開けた。
そこに立っていたのは、優菜でも、新聞の集金のおじさんでもなかった。
「康太……」
「よっ、久し振り。
前会った時より顔色良くなったな」
「何しに来たの?もうあたしに用なんて無いでしょ?」
「なかったら来ねえよ」
「じゃあ何?」
康太は黙ったままあたしの部屋に入って行った。
「なんで何も言わないのよ…」
すると、康太はあたしの方へ向き直った。
「なあ…」
そう一言言って康太は黙った。
そしてもう一度こう言った。