【続】『愛してる』なんて言わないで
4.挨拶
「あっ、千緩の両親にあいさつに行きたいんだけど良いかな?」
「うん、聞いてみるね。
いつが良い?」
「俺はいつでも良いよ。
千緩の両親に合わせるよ」
「わかった。」
今でも不安だ。
いくら康太が結婚しようって言ってくれても、あたし自身を愛してくれているのかが不安。
たまに無性にこのどうしようもない気持ちに襲われる。
あたしはどうすることもできない。
今は赤ちゃんのために頑張らなければいけない。
といっても、いつ康太に捨てられるかなんてわからない。
明日かもしれない。
もしかして今日かもしれない。
そんなこと誰にもわからない。
でもどうしようもなく不安なんだ。
康太にはこんなこと言えない。
本当は気持ちをはなして楽になりたい。
でも、どうしても言えない…。