彼と私の言えない秘密
俺は愛羅の様子を気にしながら、生徒会長の横を通り過ぎようとした


素通りするワケにもいかず、挨拶だけをしようと生徒会長に声をかける


「今日はお疲れ様でした」


その時の生徒会長は、何故か俺じゃなく、俺の隣にいる愛羅を見ていた


「今日は妹さんと一緒ですか?本当に仲が良いんですね」


俺は愛羅をチラッと見た


愛羅は生徒会長を見ていない


何かイヤな空気が漂う


「失礼します…」


そして通りすがりにズボンのポケットから左手を出して眼鏡をかけなおす


俺はその左手の甲に貼られたバンソウコウに目がいった


「あれ?会長…ケガしてたんですか?」





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