彼と私の言えない秘密

狙った女は逃がさねえから

次の日、俺は朝からかなりピリピリしていた


それは同じクラスにいる長谷川が今日は学校に来ていて、何もなかったように過ごしているからだ


左の口角は少しキズが残っているが、そんなに目立たない


俺はイライラしながら授業を受け、昼休みに長谷川を屋上に呼び出した


女みたいにソフトな言い回しなんてするつもりもなく、ストレートに聞いてみる


「俺の妹に手を出そうとした奴の名前言えよ!」


「ハァ?知らねえな」


俺の顔を見ずにそう言う長谷川の態度にムカつく


「知らねえじゃねえよ!大体、何でアイツなんだ?女は他にもいるだろ!」





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