彼と私の言えない秘密
私は顎を思いっきり引いて、生徒会長の右手から少しずらした


少しだけ隙間が出来た


私は咄嗟に生徒会長の親指と人差し指の間に噛みついた


「ってえ…な…」


私の顎から生徒会長の手が離される


今だ!


私は立ち上がり、生徒会長を突き飛ばし、後ろも振り返らず、必死で屋上のドアを開けた


ちょっと優しいかもって思った私がバカだった


体育倉庫だって、資料室だって、危なかったのを忘れたワケじゃないけど…


今朝の和真の態度で、生徒会長にちょっとだけ、甘えたくなった私もいて…






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