彼と私の言えない秘密
私…疑ってる…だって流海が言ったんだもん


嫌いか?


好きだよ?


大好きに決まってんじゃん!


でも…


一向に返事をしない私に、和真はもう一度、静かに言った


「愛羅…俺のこと…嫌いか?」


私は我慢が出来なくて…


「────────…き……」


「聞こえねえよ」


「もう…帰る…」


私は、和真の塞ぐチャリの後ろを無理矢理通り抜け、必死に走った


スポーツの苦手な私はそんなに長く走れなくて、もちろんそれは和真も把握してて


すぐに追いつかれてしまう


「いつまで拗(す)ねてるんだよ」


「ハァ…ハァ…拗(す)ねてなんかないし…」





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