彼と私の言えない秘密
後ろから和真が追い付く


当たり前だよね


チャリに勝てるワケないもん


「ハァ…ハァ…」


私は小道の脇で止まり、両膝に手を置き、息を整えた


「ったく!何やってんだよ!危ねえだろ?」


「だって…和真が…」


「だってじゃねえよ!ったく…」


ちょっと怒った口調の和真だけど、私は怯(ひる)まなかった


「私、止めてって言ったのに!」


小道の脇に建ついくつかのビルの高さに圧倒されながら、私は和真に強気な姿勢を取る


和真は冷静な態度で私に詰め寄った


「なんで止まんなきゃいけねえんだよ!お前…下りるって言ってたし、わかってんのに止まるバカなんかいるか?」





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