彼と私の言えない秘密
「え?」


私は顔を上げて先輩を見た


「人にお願いする時は、相手の目をきちんと見ないと伝わらねえから!」


「あ、ごめんなさい…」


今更、先輩の目を見ても遅い…


だって今も目が合ってて、先輩の顔がマジになってるのがわかる


座ったまま、体が動かない


「他に話は?」


私はソファーの端にもたれて、なすすべがなく、先輩は私に近付いてくる


「話は…」


頭の中で考える


私の言いたいこと…


何だったっけ


今のこの状態じゃ、何も思い出せないよ


「話…もうねぇんだな!」


先輩が私の肩に腕を回してきた





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