彼と私の言えない秘密
先輩が私の顔を見てハッとした表情をみせた


「ワリィ…ごめん…」


そう言って優しく微笑み、私の髪の毛を書き上げて私の頬にキスをする


「あ、あの…やめて…」


私は先輩の両肩に手を当てて抵抗した


ソファーの上で、私の上に覆い被さる先輩はそのまま私の背中に手を回した


キュッ


一瞬だけ強く抱き締めて、私から離れた


「マジ…ごめん…」


「い、いえ…」


私はこのまま走って逃げることだって出来たのに、そうしなかった


先輩の寂しそうな顔を見てしまったから





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