彼と私の言えない秘密
「バカ?何が?私、凄く悩んでるんだけど?」


私の横を素通りして海の波うち際ギリギリに立つ和真


私はムカついて後ろから海の中に、蹴落としてやろうと思った


ジャリジャリ…


小石を踏む音が私が近付いているのを和真に知らせる


そして後少しだという時に、和真はクルリと振り向いた


両手を前に構えたままの私


隠すのに間に合わず、誤魔化すつもりで、勢いをつけたまま和真に抱きついた


和真は海の中に落とされそうになったことも知らずに、私の頭を優しく撫でる


「バカだな…明日、その友達にちゃんと話せ!俺の彼女だって…ワケあって妹のフリしてるって」





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