彼と私の言えない秘密
「あっそ!私の喋り方や態度が悪くてすみません!こんな私、竜一の前だけだから別にイイもん!フン」


私は鼻息を荒くしていつもの調子に戻っていた


「美那が珍しく泣いたからビビった!今日傘持って来てねぇんだよな〜」


竜一はわざとらしく窓際に立ち、空を見上げてそう言った


私の気持ちも知らないくせに


「今日、雨なんて降らないから!」


「そっか…ならいい…じゃあそろそろ戻るから。昼休みももう終わるし…」


「うん…そうだね」


窓際からドアの方へと歩いていく竜一の後ろ姿を見ながら、私の心が叫ぶ


『行かないで…』





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