彼と私の言えない秘密

色んなことを丁寧に

女子の校門の前で、ニヤニヤして俺を見る白川を、俺は後ろから蹴飛ばしたかった


イライラした素振りを誰にも悟られまいと、無理に平然とする


「愛羅ちゃん、俺の友達が会いたいって言うんだけど、今度会ってみない?」


「え?」


愛羅はすかさず俺を見た


「愛羅ちゃんだって、そろそろ東條ばっかりじゃなくて、彼氏作った方がいいって!俺の友達、イイ奴だからさ」


「あ、でも…私…」


困った顔の愛羅に、俺は兄貴としてのアドバイスしかしてやれねぇのかよ


いい加減、今の兄妹の関係、ブッ壊してぇ





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