彼と私の言えない秘密
「私…前より…好き…でも…私といたら…和真オカシクなっちゃうよ…」


私は膝を抱えて、流れる涙を隠した


春奈の手が頭に触れる


「バカ愛羅…東條くんの気持ちだって同じだと思うよ?私、雅也から聞いたんだ…東條くんの気持ち…」


「な、何て…?」


思わず顔を上げた


「フフ…東條くんは、愛羅のことしか頭にないの…だから、他の男が愛羅に近付くのが我慢出来なくて、イライラ、カリカリしちゃってるんだって(笑)」


ニッコリとした春奈の顔を見ていると、さっきまでのドンヨリとした気持ちが少しずつ晴れていく気がした




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