彼と私の言えない秘密
「俺等のラブエリアは海と土手の二ヶ所あるんだからな!行きたくなったらいつでも連れて行ってやる!」


「うん…」


私は和真に抱き付きたい衝動を抑えつつ、小さく頷いた


「今日は部活ねぇから、どっちか行くか?」


「本当?」


この時の私達は周りの目を気にせず、恋人同士に戻っていた


戻ったといっても気持ちだけで、隣にそっといるだけ


それだけで幸せだった


先輩が舞台に上がる


私達は先輩を見ながら拍手をした


先輩と目が合う


眼鏡を指でカチャッと整えるいつもの仕草


そして少し緊張気味の先輩の隣にはにこやかに微笑む美那先輩がいた


何を話すのかドキドキ





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