彼と私の言えない秘密
「ハァ…ハァ…東條…」


息を切らした斉藤が戻ってくる


「斉藤、ワリイ。愛羅は?」


「うん…全部探してみたけど、いなかった…靴もなかったし…」


「そっか…悪かったな…」


俺は少しの期待も見事に打ち砕かれ、完全に参った


肩を落とし、チャリを押して帰りかけた


「東條…」


斉藤が隣に駆け寄ってくる


「どうした?」


「あのね…私、愛羅から聞いて、知ってるよ!私にしか話していないって…私、二人の味方だから!」


「斉藤…そっか…サンキューな」


味方か…


愛羅、コイツに話したんだ


「愛羅…大丈夫かな…」


「ワリイ…今から家、行ってみるわ」





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