アライブ
〆小さな命と偽りの罪
チュンチュン♪
太陽が完全に空に昇ると共に、鳥のさえずりが聞こえた。
『完全に夜が明けた…』
森の中の草木の茂みに身を潜めていた修二は、恐る恐る茂みから出た。
『目の前を通る警察官の声や黒ずくめたちの足音が聞こえたあれから1時間近くがたった。恐らく警察官たちは俺たちを追って森の奥へ…。まさか俺たちが海岸のすぐ側で身を潜めてるとは思わずにな…』
修二はそう言いながら、公太を抱えて茂みの中から出てきた橘玲子に手を差し延べた。
『灯台もとくらしだね…』
橘玲子はそう言って頷いた。
『うん。さあ、行こう…』
修二は心配を胸に足を海岸へと進めた。