アライブ
『俺を養子として預かってくれた夫婦は、俺を実の息子のように育ててくれた…。その夫婦が経営してたのが洋食屋で…俺はその夫婦が作るハンバーグを食べて育ったんだ…はぁ、はぁ…』
思い出しながら話す相沢誠也の顔は、懐かしげな表情を見せていた。
『ハンバーグか…良いなぁ。生きてこの島から出たら、俺もその洋食屋に連れていって下さいよ』
修二はにこやかに話した。
『ふん…そうしてやりたいが…もうその洋食屋はないんだ…』
そう告げた相沢誠也の顔は悲しげだった。
『つ、潰れちゃったんですか?』
修二は恐る恐る尋ねた。
その質問に、相沢誠也は頷いて見せた。