アライブ


『20歳になる頃か…養父のお墓まいりに行ったとき、住職さんに言われたんだ…。毎年養父のお墓まいりに来ていた養母が、今年は姿を見せていないと…。不思議に思った俺は家へと戻ってみた。そしたら近所の人に言われたよ、養母が入院してるって。はぁ、はぁ…』


相沢誠也はそう言って天井を見上げた。


『うん、うん…』


修二はあいずちをうった。


『買い物の途中でバイクに跳ねられてしまったらしくってさ…下半身の麻痺と顔面強打による失明らしい…。ただ、聞いた話によれば変なことにさ…買い物袋の中には、2人分の食材が入ってたんだってさ。俺は再婚でもしたんだと思ったけど…八百屋で話を聞けば…』


そう告げたあと、相沢誠也の言葉が詰まった。




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