アライブ


『親孝行か…素敵ですね』


修二は相沢誠也に笑顔を贈った。


『けどさ…結局、親孝行する前にこんな島に来てしまって…。俺は…ダメな奴だよ…情けなくって…笑いが止まらないよ』


相沢誠也は自らの情けなさに、呆れ笑いを浮かべた。


『何言ってんですか?生きてこの島から出るんですから…まだ親孝行は出来ますよ!!』


修二はそう言って、相沢誠也の肩をポンと叩いた。


『修二…。ふっ…そうだな、生きてこの島から出るんだよな…生きて…生き…がはっ!!』


相沢誠也は口から血を吐いた。


『誠也さん!!』


修二は血を吐いた相沢誠也の背中を摩った。



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