アライブ


『時也の気持ちは嬉しいけど、あたしだけは逃げたくなんてない。あたしだけ助かったって…時也がそばにいないんなら生きてる意味がないもん』


杏菜はそう言って、優しく微笑んだ。


『杏菜…』


四季神時也は胸が苦しくなった。


『でもね…でも、時也は死なせたくない。時也のこと好きだから…大好きだから…だから時也にはあたしの分も生きて欲しいから…』


杏菜はそう言って、自ら着ていた白いジャケットを脱ぎ捨てた。


『そ、それは…』


白いジャケットを脱ぎ捨てた杏菜の姿を見て、四季神時也は目を丸くした。


白いジャケットを脱ぎ捨てた杏菜の体には、無数のダイナマイトが巻き付けられていた。



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